明るくて静かな森に、4人のとても仲良しな友だちが住んでいました。 優しいくまくん、かわいいうさちゃん、すましたねこちゃん、そして歌が大好きな青い小鳥です。
ある朝、太陽の光が金色のシロップみたいに草原に降りそそぎました。 うさちゃんはぴょんぴょん跳ねながら言いました。 「今日は“ひみつのなかよしデー”にしようよ!」
「ひみつのなかよしデーって何?」青い小鳥が首をかしげました。
うさちゃんはニコッと笑い、「だれかひとりのために、小さないいことをこっそりしてあげる日だよ。でも、気づかれちゃダメなの!」と言いました。
くまくんは少し恥ずかしそうに耳をさわりながら言いました。 「なんだかおもしろそうだね。」
こうして、ゲームが始まりました。 くまくんは、ねこちゃんのお気に入りのクッションに、こっそりあったかい葉っぱを敷きました。 ねこちゃんは、うさちゃんのニンジンをハートの形に並べてあげました。 うさちゃんは青い小鳥のために、ちいさなお花のかんむりをつくってあげました。 そして青い小鳥は木の上に飛んでいき、みんなへの“おはようの歌”をやさしく歌いました。
夕方になり、4人はならんで座り、空がオレンジ色に染まっていくのを見つめました。 「みんな、だれかに何かしてあげたでしょ?」とくまくんがきらきらした目で言いました。
みんなはおたがいを見つめ合い、ふふっと笑いました。
ひみつのなかよしデーの楽しさは、ひみつではなく、 “だれかのことを思って、やさしくする気持ち”だったのです。
それからというもの、4人は決めました。 ――今日だけじゃなく、毎日をひみつのなかよしデーみたいにして、 おたがいをあったかい気持ちで笑わせよう、と。